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近年「ホスト沼」という言葉をよく聞くようになりましたが、同時にこの沼にハマってホストクラブの飲食代をツケ払いし、多額の借金を抱えてしまう人が急増していることが問題視されています。
「押しのホストを応援してあげたい」
「私がお金を使ってあげないとこの人が困ってしまう」
「私がこの人を一番支えているから頑張らないと」
そんな使命感に駆られ、お金をつぎ込んでしまっている人もいるでしょう。 推しのために使ったお金が財布の限界を超え、その場では払いきれなくなったときに利用する人が多いのが、「売掛金」というツケ払いのシステムです。
手持ちがない時でも推しに会いに行くことができる便利なシステムのように見えますが、ツケ払いを返し終えるまでにまたホストに会いに行ってしまえば返済額はどんどん膨らんでいき、完全に返済が行き詰ってしまう危険性があります。
そしてたいていの場合、この売掛金は担当したホストが立て替えます。そうなると、「推しに迷惑をかけられない」という心理が働き、返済しながらさらにツケを増やしてしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
今この記事を読んでいるあなたは、そんな悪循環から抜け出したいと思ってここにたどりついたのではないでしょうか。 そんなあなたのために、この記事では次のことを紹介しています。
- 売掛金を払わないままでいたらどうなるのか
- 売掛金が払えない場合はどうしたら良いのか
さらに、売掛金にまつわるトラブルやトラブルに巻き込まれないための予防法、そして、売掛金を支払う必要がないケースについても紹介します。今のあなたの状況と照らし合わせて、これから自分はどうするのが良いのかを検討するヒントにしてみてください。
ホストクラブの「売掛」とは
ホストクラブが提供するサービスの中に、「売掛」が存在します。売掛とは、お客がホストクラブで飲食した際やホストとの接客時間を楽しんだ際の代金を、当日ではなく後日支払うという形態で、いわゆる「ツケ払い」のことを言います。また、これは利用者が飲食代等を一時的に借りる、つまり「借金」をする形になるのです。
クラブからすれば、売掛を提供することで顧客を囲い込み、継続的に高額な利益を上げるチャンスが生まれます。しかし、ここには大きなリスクが潜んでいます。その顧客が連日の利用や高額の売掛が積もり積もって、借金に見えない借金が山となり、支払えなくなった場合、一体どう対応すべきなのでしょうか。このあたりが曖昧なまま、売掛が増え続けるという状況が生じるのです。
ホストクラブの売掛金は担当ホストが立て替えている
売掛とは、お客がホストクラブで飲食した際やホストとの接客時間を楽しんだ際の代金を、当日ではなく後日支払うという形態でしたね。では、この日のツケは誰が負担しているのでしょうか。お店にもよりますが、一般的にはその日担当したホスト個人が立て替えます。つまり、売掛は後日担当したホストへ返済をします。売掛というのはいわばあなたと担当したホストが個人的に借金の契約を結ぶのと同じことなのです。
また、お店によっては、ホスト個人ではなく、店が立て替える場合もあります。ですが、売掛の回収が見込めない場合は、やはり担当したホストが支払をしなければならないのが通常です。
売掛金を利用するリスク
売掛金を利用することで得られる利点は、一時的に高額の代金を支払わずに楽しめることや、突然の出費を抑えられることです。しかし、売掛を利用するということはすでに自身の支払能力を超えている ということ。経済的に余裕がある時はともかく、いざ返済の時がくると自身の生活を圧迫していきます。
そして、返済をしている間もホストに会いに行くことがあるでしょう。そうなると、返済額はさらに増え、どんどん借金が大きくなっていってしまいます。
それだけでなく、ホストクラブ側からの強硬な取り立てや、思わぬトラブルへと発展する可能性もあるのです。リスクを理解し、自身の返済能力をしっかりと見極めた上で、売掛を利用することが求められます。
ホストクラブの売掛金そのものは犯罪ではない
トラブルやリスクも多い売掛金、そもそも犯罪にはならないのでしょうか?
ホストクラブにおける「売掛」は、一言で言うと「あとで払う」というシステムです。会員がホストクラブで楽しんだ代金を、その場ではなく後日まとめて支払うという制度です。それ自体は、売買契約の一環であり、法律上違法ではありません。
また、口頭で約束した場合でも契約は成立しますので、借用書などの書類を交わしていないからといって支払いを踏み倒すことはできません。しかし、口約束は言った・言わないのトラブルにもなりやすいので、売掛を利用する際は内容を書面に残しておく方が良いでしょう。
売掛を払わないと起こる2つのリスク
ホストクラブの売掛金を払わないままでいるとどうなるのでしょうか。売掛金を支払わないと、具体的には次の2つのリスクが考えられます。
- 遅延損害金の請求や強制執行されてしまう恐れがある
- 最初から払う気がなった場合は詐欺罪に問われる可能性もある
ホストクラブの売掛は、簡単にいうと借金です。つまり借金を放置していることと同じことなのです。では、この2つのリスクをもう少し詳しく見ていきましょう。
遅延損害金の請求や強制執行されてしまう恐れがある
遅延損害金は、借金が未払いの期間に対して課される金利の一種です。売掛金が発生した時点で借金の契約が結ばれたことになり、その契約に違反すると遅延損害金が発生します。この金額は、未払いのままの期間が長くなるほど増加し、結果的には本来の借金額を大幅に超える可能性もあります。また、返済が滞ると、支払督促や訴訟をされてしまうことも考えられます。そうなると、最終的に強制執行で給与や財産を差し押さえられてしまいます。
最初から払う気がなった場合は詐欺罪に問われる可能性もある
売掛金を借りる際に最初から払う意志がなかった場合、詐欺罪に問われる可能性があります。
この罪は、他人を騙して金銭を得る行為を指し、最初から代金を踏み倒すつもりでいた場合、法律上「詐欺」とされます。詐欺罪となった場合、「10年以下の懲役」の刑罰がある犯罪です。ホストクラブの飲食代の掛け飛びは、詐欺罪に問われる恐れもあるので、払えなくなってしまっても無視してはいけません。
ホストの売掛金で起こるトラブル
ホストクラブの売掛金の問題は、詐欺や遅延損害金だけではありません。膨らみすぎてしまった売掛金を返済させるために、担当ホストもどうにかあなたにお金を作って来るように促します。しかし、その時点で売掛金は数十万円から数百万円となってしまっているはずです。そのような大金をすぐに支払うのは難しく、トラブルに発展してしまうケースも少なくありません。
実際、民間の団体に4か月の間に200件を超える相談が寄せられているという報道もされています。
高額な売掛金をめぐるトラブルは、単に借金の督促に終わりません。最悪の場合、あなたの人生が台無しになってしまうこともあるのです。ここでは、売掛金トラブルのよくあるケースをご紹介します。もし、あなたがすでにこれらのトラブルに巻き込まれそうになっていたら、すぐに専門家へ相談をするようにしてください。
消費者金融などから借金をさせられる
売掛金の返済をするために、消費者金融やクレジット会社からキャッシングを勧められるケースです。
キャッシングで借り入れをして売掛金を支払えば、一時的にホストへの借金はなくなるでしょう。しかし、その後また飲食代を売掛にしてしまうと、キャッシングの返済とホストへの売掛の返済で、借金が2重になってのしかかってきます。繰り返しクラブを訪れるうちに、金銭感覚が麻痺してしまい、自身の返済能力を超えた売掛金を背負ってしまうことも少なくありません。
借金が支払えなくなると、最終的には自己破産せざるを得なくなってしまいます。また、払わずに放置してしまえば、差押えをされてしまうかもしれません。いずれにせよ、どこかから借金までしなければ返済ができない状態は、すでにあなたの支払能力を超えてしまっています。早急に専門家へ相談し、収支を立て直す対策を立てましょう。
自宅などに訪問される
ホストクラブの借金が払えないままにしていると、自宅などへ訪問されてしまうケースもあるようです。客の自宅や勤務先まで訪ねてくることで、一般的な生活に支障をきたす事態になります。家族や職場に借金の存在が知られてしまうだけでなく、周囲に迷惑を掛けてしまうこともあります。そうなると普段の生活が脅かされることになりかねません。
キャバクラや風俗を紹介される
売掛金が払えなくなった場合、風俗やキャバクラで稼ぐように紹介されるケースもあります。
お店が営業している間はホストクラブに通い、それ以外の時間はキャバクラや風俗で働いて売掛の返済に充てるような生活に陥ってしまうと、生活リズムが乱れて体を壊してしまいます。最悪の場合、病気をうつされてしまったり、精神を病んでしまったりすることもあります。
ホストからは、売掛伝票に書かれた金額は愛の大きさだと言われるかもしれませんが、本当に愛する相手を風俗で働かせたい人はあまりいないでしょう。また、売春のあっせんは法律で禁止されている犯罪です。もしキャバクラや風俗で働くように強要されたり、紹介すると言われた場合は、すぐに専門家へ相談をしてください。
売春防止法
第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
ホストクラブの売掛金の返済が不要なケースもある
実は、ホストクラブの売掛金の返済が不要となるケースも存在します。
どのような状況下で法的に売掛金を無効にできるのか、知っておくことで泥沼化したトラブルから一歩脱出する階段を見つけることができるかもしれません。そのためには、まずは自身の状況を正確に把握し、アドバイスを求める弁護士や相談機関へ正確な情報を提供することが重要です。
詐欺や脅迫を受けた場合
詐欺や脅迫をされて、不本意に売掛をさせられた場合、その契約を取り消すことができます。
例えば、結婚するつもりがないにも関わらず「このお金は将来結婚したときのための資金だから」とお客をだまして飲食をさせる行為は詐欺にあたります。そうして詐欺や脅迫によってお客から受けた注文で提供されたものは「不法原因給付」と言い、無効となります。
民法
第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
法外な金利が設定されている場合
違法な金利が設定されている場合も、ホストクラブの売掛金の返済が不要になることがあります。
ホストとの個人間の借金の場合でも、事前に利息を払う約束をしていれば、利息が設定されること自体は問題ありません。そして、返済日に遅れると遅延損害金が発生することも問題はありません。また遅延損害金は、利息とは異なり事前に払う約束をしていなくても期日に遅れると発生します。
ですが、金利はいくらに設定してもいいわけではありません。まず、利息については「利息制限法」という法律で次のように金利の上限が定められています。
借金の額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20%まで |
10万円以上100万円未満 | 年18%まで |
100万円以上 | 年15%まで |
上記の金利を超える利率を設定した場合、超えた分の利息は法律上無効となります。
そして遅延損害金も同様に上限金利が決まっています。
また、利息について定めた法律には「出資法」という法律もあります。出資法では、通常の金利でも遅延損害金の金利でも、年109.5%を超える金利を設定した場合、5年以下の懲役か1000万円以下の罰金、またはその両方という刑事罰の定められています。いずれにせよ、法外な金利を要求された場合はすぐに専門家や警察に相談をするようにしてください。
借金の額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年29.2%まで |
10万円以上100万円未満 | 年26.28%まで |
100万円以上 | 年21.9%まで |
未成年の場合
未成年者が売掛金を背負ってしまうケースもありますが、法律上未成年者が無断で借金をした場合、法定代理人の同意がない限り効力を持たないとされています。つまり、親の承諾がなければ、未成年者がホストクラブで借金を作ってもそれは無効となり、返済しなくても良いことになるのです。
2022年4月1日から、改正民法が施行され、成年年齢は20歳から18歳に引き下げられました。お酒は引き続き20歳まで飲むことができませんが、借金の契約は18歳からできるようになりましたので注意が必要です。また、取消が認められるかどうかについては、クラブを利用した時点で未成年だったかによって判断されます。
民法
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。
ホストクラブの売掛金が払えない場合の対処法
それでは、もしホストクラブの売掛金が払えなくなってしまったらどうしたいいのでしょうか。ここからは具体的な方法として次の3つを紹介します
- 弁護士に相談する
- 債務整理を検討する
- 脅しなど犯罪行為がある場合は警察に相談する
ひとつずつ詳しく見てみましょう。
弁護士に相談する
弁護士に相談することで、まずはその売掛金が法的に妥当なものであるのか、返済義務があるのかを確認してくれます。そのうえで返済義務がある場合は、減額の交渉を行ってくれたり、法的手続きを行ってくれたりします。弁護士は、交渉のプロであり、借金問題にも精通している弁護士も多くいます。
返済困難な借金や売掛金のことを、誰に相談したらいいのか分からない場合は、迷わず弁護士へ相談することをお勧めします。
債務整理を検討する
売掛金が払えない状況に陥ったら、債務整理を検討することもひとつの方法です。債務整理とは、借金の額を減らしたり、支払い条件を変更したりする手続きのことを指します。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があり、どの方法が適切かはあなたの状況によって異なりますので、きちんと相談した上で決定することが重要です。
債務整理は法的な手続きを伴うため、弁護士や司法書士に手続きを依頼するのが一般的です。初めに弁護士相談する方法を紹介しましたが、弁護士ならその際に債務整理についても一緒に検討してくれます。
債務整理の3つの方法を簡単にまとめました。
債務整理の方法 | 概要 |
---|---|
任意整理 | 債権者との合意に基づいて、債務の一部を免除したり、返済期間を延長したり、利息を減らしたりする手続き |
小規模個人再生 | 裁判所の認可を受けたうえで、借金を5分の1程度まで減らし、3年から5年で返済をしていく手続き |
自己破産 | 裁判所へ申し立てを行い、価値のあるものは清算し、それ以上の借金は免除してもらう手続き |
脅しなど犯罪行為がある場合は警察に相談する
強引な取り立てや脅迫、暴力、無理な借金の追加など、こういった犯罪行為が行われた場合は、警察に相談しましょう。売掛金をホスト個人が管理している場合、そのような行為が行われていることを店側が把握していない場合もあります。
ホストクラブの売掛金トラブルにあってしまった場合のその他の相談先
ホストクラブの売掛金トラブルに遭ったとき、対策として弁護士や警察へ相談をすることを紹介しましたが、いきなり弁護士や警察に相談するのはハードルが高いと感じるかもしれませんし、まずどこに相談するべきなのか迷うこともあるでしょう。自力で弁護士を探すのもなかなか大変なことです。
ホストクラブの売掛金トラブルは、国や自治体でも対策が検討されており専用の相談ダイヤルも整備されてきました。適切な相談先を紹介してくれる機関や、アドバイスをもらえる期間、弁護士へつないでくれる機関などもあります。主な相談機関をまとめましたので、どこに相談するべきか迷ったときの参考にしてみてください。
ホストクラブの売掛金トラブルの解決を弁護士に依頼するメリット
売掛金が払えなくなった時、どこに相談すればいいか分からないと思う人は多くいます。そのような状況に陥ってしまった時は、まず弁護士へ相談することをお勧めします。
弁護士に相談するメリットはいくつかありますが、もっとも大きな理由に次のものがあります。
- 弁護士が窓口となって話し合いをしてくれる
- 売掛金やそのほかの借金の整理をしてくれる
ホストへの売掛金トラブルを解決するには、関連する借金問題や、風俗へのあっせんなどの問題など、売掛金以外のトラブルも抱えているケースが多くあります。そのひとつひとつを自分で解決するのは手間や時間もかかるうえに専門的な知識が必要な場面も出てきます。
そのようなときに、弁護士であればあなたに代わって交渉や手続きを行うことができます。ご紹介した2つのメリットは、具体的にどんなことが起こるのか詳しく見ていきましょう。
弁護士が窓口となって相手と話し合いをしてくれる
弁護士に依頼すると、弁護士があなたの代わりに相手のホストやホストクラブとの交渉を行ってくれます。それだけでなく、売掛金を返済するために消費者金融やカードローンで借金をしているなら、それらの債権者とも交渉を行ってくれます。
あなたは直接相手と顔を合わせることがありませんので、「会って話をするのが怖い」、「直接顔を合わせると断れない」といった不安を抱えている方も、これらの心配をすることなく自分の主張を相手に伝えることができます。
売掛金やそのほかの借金の整理をしてくれる
売掛金が大きくなると、複数のカード会社などから借り入れをしていることが多く、売掛金と借金の返済で家計が完全に赤字となっている方は少なくありません。弁護士に相談すると、売掛金だけでなく、その他の借金の整理も行ってくれます。利息や遅延損害金など、借金の全体像が掴めなくなってしまっている方も、弁護士が借金の全体像を洗い出してとりまとめを行ってくれます。事務所によっては返済のとりまとめも行ってくれるところもありますので、確認してみると良いでしょう。
借金整理の方法は3つあり、まとめると以下のような特徴があります。弁護士があなたの状況を聞き、これらの方法から最適なものを提案してくれます。
債務整理の方法 | 概要 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
任意整理 | 債権者との合意に基づいて、債務の一部を免除したり、返済期間を延長したり、利息を減らしたりする手続き | 手続きする借金を選ぶことができる | ・支払の再開が前提のため、一定の収入が必要・一般的に減額幅がもっとも少ない |
小規模個人再生 | 裁判所の認可を受けたうえで、借金を5分の1程度まで減らし、3年から5年で返済をしていく手続き | 住宅ローンには手を付けずにほかの借金を大幅に減額できる | ・債権者全員の同意が必要・自己破産と比較すると手続きが複雑・支払の再開が前提となるので、一定の収入が必要 |
自己破産 | 裁判所へ申し立てを行い、価値のあるものは清算し、それ以上の借金は免除してもらう手続き | 借金を全額免除してもらうことができる | ・破産手続き中は就けない仕事等がある・一定以上の価値のある財産は処分しなければいけない |
借金整理の詳しい方法については、こちらの記事で紹介しています。

ホストクラブの売掛金トラブルに巻き込まれないために
ホストクラブの売掛金トラブルの相談は増加しており、国や自治体でも対策が急がれています。
担当ホストを応援したい気持ちから支払い能力を超えるお金を使ってしまうことで起こる売掛金のトラブル、気が付かないうちに自分もまきこまれてしまわないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは3つの対策をご紹介します。
相手との会話は残しておく
まずひとつめは、ホストとの会話内容の記録を残しておくことです。
音声で録音したり、動画が取れれば、万が一トラブルになった際に有力な証拠となります。しかし、それでは相手はあなたのことを不審に思うでしょうし、そもそもあなたは相手のことを疑いたくてクラブへ通っているのではないはずですから、会話を録音するのはかなりハードルが高いでしょう。
録音以外にも、会話や注文の内容をメモに残しておくことも有効です。普段日記をつけている人であれば日記に書き留めておくのも良いでしょう。トラブルの中には、推しを応援したい気持ちが行き過ぎてしまい無計画に高額なボトルを頼む、あるいは頼んだ覚えがないのに請求されるといったケースが起こり得ます。
こうした事態を避けるためにも、何を頼んだか、相手との一連の会話を記録しておくことが望ましいでしょう。
借金をしない
借り入れをしてまで売掛金の返済や、ホストクラブへ通う資金を捻出しないようにしましょう。
消費者金融やカードローンを利用する時点で、あなたの収支はマイナスになっているはずです。借り入れをすればこんどは金融業者に対して利息が発生しますので、返済しなければいけない額はさらに大きくなってしまいます。
信頼できる人間関係を築き、楽しく交流する場としてホストクラブを利用すること自体に問題はありませんが、そのために自身の生活を犠牲にする結果となってしまっては、いずれ経済的に破綻し、担当ホストを応援することもできなくなってしまいます。借金をしないことは、ホストクラブでのトラブルを避けるための最重要ポイントと言えるでしょう。
売掛は利用しない
そもそもですが、売掛金をできるだけ使わないことがもっともシンプルなトラブル回避方法です。
売掛金を利用すると、自分の支払能力を超えた金額でも使うことができてしまいます。1回の単価が数十万円単位にもなるホストクラブでは、だんだんと金銭感覚が鈍っていき、お金を使うことが快感となってしまう方も少なくありません。売掛金を利用して支払いを先延ばしにしていると、その場で支払いがないため、ことさらにお金を使っている間隔が薄くなりますので、気がつけば高額な売掛金が溜まっているケースもよく見られます。
そして、売掛金を支払うためにホストクラブを訪れ、そこでまたお金を使ってしまい、返済額は一向に減らないという悪循環に陥ってしまうのです。そうなってしまうと、最終的には支払いもできないうえに生活も苦しくなり、どうにもならなくなってしまいます。
使った金額が愛の大きさだというホストもいるかもしれませんが、支払い能力を超えるほどのお金を使わせ、あなたの人生を狂わせてしまうのは愛ではありません。売掛に頼らず、自分がその都度支払える範囲で楽しむようにしましょう。
まとめ
ここまで、売掛金の仕組みやリスク、よくあるトラブルと対処方法などを紹介してきました。 売掛金そのものは違法ではなく、ホストクラブの飲食代を後払いにするようにあなたと担当ホストが個人的に借金の契約をする行為です。
しかし、その場で支払いがないため、自分の支払い能力を超えた金額を使ってしまい、返済が困難になってしまうリスクがあります。もし、支払いが難しくなって放置していると、こんなことが起きてしまうかもしれません。
- 遅延損害金の請求や強制執行されてしまう恐れがある
- 最初から払う気がなった場合は詐欺罪に問われる可能性もある
もし、売掛金の返済が困難になってしまったら、トラブルに発展する前に弁護士へ相談するようにしましょう。弁護士に相談することで、あなたの代わりに相手と交渉を行ってくれたり、売掛金以外の借金の整理なども任せたりすることができます。
そして、売掛金トラブルに巻き込まれないようにするためには次の3つの方法があることをご紹介しました。
- 相手との会話は記録しておく
- 借金をしない
- 売掛金を利用しない
日常から離れてホストとの会話を楽しむホストクラブは、友人と遊ぶのとは違った楽しみがあります。しかし、自身の支払い能力を超えた金額を使ってしまうと、生活に支障をきたしてしまうかもしれないだけでなく、様々なトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
ホストクラブの売掛金の返済に困ったら、弁護士へ相談のうえ、早めに対応を検討するようにしましょう。